NPO法人である日本サスティナブル投資フォーラムが1月27日、2021年9月末時点における「個人向け金融商品におけるサスティナブル投資残高」を発表しました。それによると投資信託の残高が3兆4778億円、社会貢献型債券が5522億円で、合計4兆300億円に上りました。

サステナブル関連の投信残高は1年で2.6倍の3.4兆円に急増

ちなみに過去の数字を追うと、

2020年9月末……1兆8043億円(投資信託:1兆3285億円、社会貢献型債券:4758億円)
2020年12月末……2兆3877億円(投資信託:1兆8549億円、社会貢献型債券:5328億円)
2021年3月末……2兆8777億円(投資信託:2兆3551億円、社会貢献型債券:5226億円)
2021年6月末……3兆4996億円(投資信託:2兆9570億円、社会貢献型債券:5426億円)

となっています。

出所:日本サスティナブル投資フォーラムのデータを基に作成   

過去にさかのぼってデータを追えたのは2020年9月末まででしたが、日本サスティナブル投資フォーラムのデータを基に作成したグラフを見ると、この時期を境にして、サステナブル投資残高が急増しているのを確認できます。ちなみに2020年9月末の残高が急増したのは、同年7月に設定されたアセットマネジメントoneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」の純資産残高が6000億円超になったことが原因であるとしています。

この推移を見ると、ESGやSRIなどを冠したサステナブル投資に対する個人の関心が、徐々に高まっていることが分かります。内訳をみると、社会貢献型債券の残高はそれほど大きく伸びてはおらず、特に2020年12月末から2021年9月末までの数字を見てもほぼ横ばいですが、投資信託の残高は、2020年9月末の1兆3285億円から2021年9月末の3兆4778億円へと、2.6倍強にまで増加しました。現時点において、サステナブル投資は主に投資信託を通じて行われていることが分かります。