新宿に日本本社を置くマニュライフ生命保険(カナダ)は、未来を前向きに行動する生き方を「Life2.0」と称して推奨している。その一環として、毎月2日を何か新しいことを始める日として「Life2.0」の日を設定した。これを受けて2017(平成29)年には、日本記念日協会も記念日として認定する。新年であり、心機一転の意味も込めて、「Life2.0」に思いを巡らせたい。
新たなことに挑戦することが当然視されるマルチステージの人生
長寿化の進展により、従来の画一的な人生サイクルである、年少時をスタートとする学習の時代から就業の時代、さらに引退の時代という“人生3ステージ”のライフサイクルは、過去のものとなった。定年後も新たな仕事に就き70歳まで、あるいはそれ以上に働く人も多くなった。自分次第で数多くのステージを体験できる時代だ。
しかし、これは同時に自らの知識やスキルを磨き直す必要を意味する。とりわけ、昨今の技術革新のスピードを考えると、現状に満足することは時代に取り残されることになる。リカレント学習やリスキリングという、学び直しの気運が盛り上がっているが、時代を先取りして自らの市場価値を高めたい人は多いはずだ。
新たに習得したり深堀りした知識・スキルを活用して、所属する組織により貢献する決意を固めたり、新たな職場を目指すことを新年の目標とする人もいるだろう。
即戦力となる優秀な人材は、入社当初から破格の給与で待遇する動きもある。人材不足は多くの企業で喫緊の課題となっている。ダイキン社は、企業内学校を創設し新入職員にAIやIoTなど、時代が要求するスキルを身につけさせるべく、日常業務に全く関与させない2年間の学習期間を設定した。多くの企業が、従業員のリスキリングに会社の命運を懸ける。
究極の目標を達成した後も、さらなる高みを目指す人がいる。高校中退を経験したものの、努力を重ね東京大学に入学し卒業、愛知県で弁護士をしている井上洋一さんだ。現在のキャリアレールから脱線してもやり直せるよう、数々の資格取得に励んでいる。現在43歳だが、マンション管理士、中小企業診断士、産業カウンセラーと、実に140以上の資格を持つ。
進学校の高校に入学したが、成績が振るわないために中退し、別の高校に1年生として入り直したという経歴を持つだけに、中退者でもやり直せることを示したかったという。幅広く学んだおかげで、今ではお金のカウンセリングや心の相談にも対応できる、他の弁護士にはない独自性を発揮できるそうだ。