人数だけでなく質も問われる独立社外取締役のあり方

こうしたサステナビリティやダイバーシティを強力に推進していくには、③取締役会の機能発揮が問われるという流れだろう。

黒田氏は、「個人的に今回の改訂でいちばん重要だと感じているのが、補充原則4-2②で取締役会の役割・責務も具体的に明記されている点」だと言う。「取締役会はサステナビリティを巡る取り組みについての基本方針を策定すべき、とはっきりと書かれています。要するに取締役会の構成員である以上、サステナビリティの理解が必須になったわけです」。

さらに取締役会強化の面では、「スキルマトリックスを用いた開示が追加されたことも重要な点」(黒田氏)だという。これは、取締役会が備えているべき知識・経験・能力を明らかにすると同時に、各取締役が有するスキルとどう対応しているかを併せて開示するというものだ。

「どういう要件が取締役に求められていて、それを満たす人がきちんと取締役会に入っているのか。特に社外取締役の人数が増えていく場合、適正なスキルを有する人で構成されているかが厳しく問われますが、条件を満たしているか否かはスキルマトリックスで一目瞭然になるでしょう」(黒田氏)。

今回のCGコード改訂の報道を見る限り、プライム市場の会社では独立社外取締役が3分の1以上でなければならなくなるといった面が強調されている印象もあるが、数だけでなく質が問われていることも留意すべきだろう。