「キャノーラ油」って?
さて、みなさんが実際に食用油を手に入れるとしたら、ほとんど場合がスーパーでしょう。その際、店頭でよく「キャノーラ油」という製品を目にしませんか? キャノーラ油とは、ナタネ油の一つですが、実は健康上のリスクに対応して生まれた比較的新しい製品なんです。
ナタネは代表的な植物油の原料ですが、「キャノーラ種」がカナダで作出されるまでは健康への課題がありました。従来品種のナタネ油はエルシン酸が40%以上を占め、心筋への影響が懸念されていたのです(WHOはエルシン酸含有比率を5%以下に定めています)。
キャノーラ種はエルシン酸が少ないナタネです。1978年に西部カナダ植物油協会が、それまでのナタネとの違いを鮮明にするため「キャノーラ」と命名しました。1980年にはエルシン酸含有量が2%未満のキャノーラが登場し、従来のナタネに完全に取って代わる存在となったのです。1985年には米FDA(アメリカ食品医薬局)に「GRAS(一般的に安全と見なされる食品)に登録され、キャノーラは国際的な地位を占めました。