日本で初めて搾油が行われた日

8月23日は油の記念日です。859年に京都「離宮八幡宮」において初めてエゴマから搾油されました。その日が8月23日であったことから、離宮八幡宮と油脂の販売などを手掛ける「カネダ株式会社」が2005年に油の記念日を定めました。離宮八幡宮には多くの油脂業関係者が参拝しているそうです。

このように古い歴史を持つ油ですが、日本人に広く食べられるようになったのはナタネからの搾油法が開発された江戸時代からでした。もともとは燈明油として活用されていましたが、その後は天ぷら油として食用に利用されるようになりました。

そして今や油は私たちの生活に欠かせないものに。特に日本の油の消費量は平成にかけて大きく伸びました。日本植物油協会のデータによれば、植物油の年間消費量は、1960年度は1人あたり3.2kgでしたが、2000年度では13.7kgにまで増えています。40年間で約4.3倍、1年あたり約3.7%ずつ上昇した計算です。近年では横ばいで推移し、直近の2019年度では13.9kgでした。

世界でも植物油の消費量は増加しています。同じく日本植物油協会のデータによれば、2001/02年度では約9,740万トンでしたが、2018/19年度では倍以上の約2億704万トンにまで上昇しました。植物油は主に食用に利用されるため人口の多い地域で特に消費され、上位わずか4つの国と地域で全体の約半分を占めています。

【植物油消費量 国・地域別上位4か国(2018/19年度)】

1.       中国:16%
2.       EU:14%
3.       インド:11%
4.       アメリカ:9%

ちなみに日本は12位で全体の1%を占めました。世界で11番目に大きな人口を持つ日本は、植物油消費において“ある程度”大きな市場といえるでしょう。

そんな日本市場のシェアを握っているのが「日清オイリオグループ」と「J₋オイルミルズ」です。両者の売上高は合わせて5,000億円を超えています。

【「日清オイリオグループ」と「Jオイルミルズ」の売上高(2021年3月期)】
●日清オイリオグループ:3,363.06億円
●Jオイルミルズ:1,641.16億円

搾油の担い手は約1100年かけ、離宮八幡宮から大企業2社に渡ったといえるでしょう。