投資信託全体の騰落率1位は「グローバル全生物ゲノム株式ファンド(1年決算型)」(17.73%)

2021年6月のリターン1位は、「グローバル全生物ゲノム株式ファンド(1年決算型)」の17.73%だった。同ファンドは、世界の株式の中からゲノム関連ビジネスを行う企業、およびゲノム技術の恩恵を受ける企業の株式に投資を行うアクティブファンドである。個別銘柄の選定では、米運用会社アーク・インベストメント・マネジメント(アーク社)の調査力を活用する。5月の騰落率はマイナス7.2%だったが、6月に持ち直した。グロース株(成長株)への買いが強まり、バイオやヘルスケア株に買いが入ったことが好調なパフォーマンスの要因だ。ただ、6月は約44億円の資金流出となっている。純資産残高が1,017.59億円まで減少しているので、7月以降は1,000億円の大台をキープできるかに注目だ。

ランキング全体の概説(当該期間の市場環境等を踏まえて)

6月はナスダック総合株価指数が過去最高値を更新するなど、グロース株が復調した。そして、テクノロジー関連株式のファンドが多くランクインしている。また、3位の「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」(16.97%)と6位の「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」(12.01%)も、1位の「グローバル全生物ゲノム株式ファンド(1年決算型)」と同じく米資産運用会社アーク・インベストメント・マネジメントが助言するファンドだ。アーク社は「破壊的イノベーション企業」への投資を行い、投資家の支持を集めている。破壊的イノベーションとは、サービスや商品の質を高める「持続的イノベーション」に対し、これまでの技術やノウハウの価値を破壊し、まったく新しいサービスや商品を作り出すことを指す。「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」は純資産残高3位、「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」は純資産残高7位となっている。6月はグロース株が優位になり、アーク社が助言するファンドのパフォーマンスも好調だった。ただ、アーク社が助言するファンドの組入銘柄数は40~60銘柄。集中投資するのが特徴なので、リスクが高くなる点には注意が必要だ。