フィデリティ投信は、世界を代表するアクティブファンドの運用会社だ。つみたてNISAがスタートした2018年以来、インデックスファンドのつみたて投資が大きな潮流となり、各社がこぞって低コストのインデックスファンドを市場に投入したが、同社はそのような動きとは一線を画し、良質なアクティブファンドの提供を堅持してきた。新NISAに向けて、同社のスタンスは変わるのだろうか? 同社の商品開発部長の松本学氏(写真)に聞いた。
2024年1月にスタートする「新しいNISA」は、「非課税保有期間の無期限化」、「つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能」、「非課税保有限度額は1人あたり1800万円」など、従来のNISA(少額投資非課税制度)を抜本的に拡充し、恒久化によって国民の金融インフラとして一段と普及・発展していくことが期待されている。ただ、日本の個人金融資産の大半を預貯金が占めている状況は長年にわたって変化がなく、リスク商品への資金シフトは容易には進まないという課題がある。「新しいNISA」のスタートは、長年の課題である「貯蓄から投資へ」の意識変革を浸透させるきっかけにもなり、投信市場拡大の好機といえる。運用会社では新NISAのスタートを前に、どのような戦略で臨もうとしているのか? 大手運用会社にインタビュー取材を行った。