富裕層が大幅に増えている
人口が減少し、世帯数もピークアウトしていく日本で富裕層だけが増え続けている。日本の総人口は2009年から2021年にかけて201万人(-1.6%)少なくなっている[1]。これに対し、富裕層は大幅に増加した。野村総合研究所の推計[2]では、純金融資産(保有金融資産額から負債を引いた額)を1億円以上保有する富裕層・超富裕層は2009年の84.5万世帯から2021年には148.5万世帯に増加した。その増加率は75.7%である。5億円以上を保有する超富裕層に限定すると5.0万世帯から9.0万世帯(同80.0%)の増加になる。
なぜ、人口が減っているにも関わらず富裕層だけ増えているのだろうか。その要因の多くは、資産価格の上昇で説明できる。