数字の向こうにある、本当に欲しい未来

だから私は、投資を始めることにした。実際には正直、「お金を増やしたい」という思いもあった。けれど、続けるうちに気が付いた。本当に欲しかったのは、利益じゃない。

「……本当に欲しかったのは……、安心だったんだ」

相場が大きく下落した日もあった。評価額が何十万円も減ったこともある。

画面を見て一瞬手が止まったが、あの日の病室を思い出して踏みとどまった。それでも積み立てはやめなかった。

父の病室で感じた、あの日の不安を思い出したから……。

お金は人生のすべてじゃない。でも、お金があることで守れるものも確かにある。

治療を選ぶ自由。

進学を選ぶ自由。

夢を諦めなくていい自由。

そして、家族の笑顔。

投資口座に積み上がる数字を見るたびに思う。

「私はお金を増やしているんじゃない。家族を守る力を積んでいるんだ」

私には夢がある。

いつの日か両親に、「今までありがとう。これからは心配しなくていいよ」と伝えること。

子どもが生まれたら、「やりたいことをやりなさい」と自信を持って背中を押せる親になること。そして迎える老後。人生を振り返ったとき、「あのとき、未来のために行動して良かった」と思える毎日を送ることだ。

投資とは、株価の値動きに一喜一憂することではない。

未来の自分と家族を信じるという行為だ。

かつて父が私を守ってくれたように、今度は私が誰かを守る番だ。

だから私は、今日も投資を続ける。

それは、お金のためではない。

家族への感謝と責任を、未来につないでいくために。