「お金と向き合うこと」は「自らの人生や家族と向き合うこと」。資産形成だけにとどまらない、一人ひとりの人生の物語がきっとあるはず……。このたびFinaseeでは公募企画「あなたの『投資』と人生、教えてください!」を実施しました。全国から寄せられた投資にまつわる人生のさまざまな経験や思いが綴られた投稿の中から選ばれたニックネーム ヘスーサンさん(40代男性、関東地方在住)の体験談をお届けします。

「お金じゃない」、投資を続ける本当の理由

「どれだけ注意していても、人は病気になる。どれだけ真面目に働いていても、事故や災害は起こる。未来は誰にも読めない」

食品に関わる仕事をしている私。商品クレームや事故報告に毎日のように向き合う中で思うことがある。

「だからこそ備えが必要なんだ」。この考え方は、実は投資を始めた理由にもつながっている。

数年前、父が大きな病気をした。仕事一筋で家族を支えてきた父だった。

子どものころ、自分にとって父は絶対的な存在だった。休みの日には遊びに連れて行ってくれた。進学するときも何も言わず背中を押してくれた。そんな父が病院のベッドに横たわる姿を見たとき、初めて恐怖を感じた。

「……お父さん、大丈夫なの?」

力なく微笑む父を見て、胸が潰れそうになった。

「もし、このまま働けなくなったらどうなるのだろう?」

治療費は? 生活費は? 父の現状に直面した母は、果たして大丈夫だろうか。

そのとき、気づいた。大人になったつもりでいた私。けれど家族を守る側ではなく、まだ守られる側だったのだ。

悔しさが身に染みる。

病院の帰り道、考えた。

父は何十年も家族のために働いてきた。一方で自分は、何をしているのだろう。

将来、自分が父の立場になったとき、家族を守れるだろうか。もし病気になったら。もし突然働けなくなったら。

その問いに、自信を持って「大丈夫」とは言えなかった。