普段は帰らない義妹がなぜ?
再出発してから30分後、目的地である義実家に到着した。車を駐車場に停めると、桜は家のインターホンを押した。すると足音が聞こえ、玄関が開けられた。
「あらあら、どうも。久しぶりねえ」
出迎えてくれたのは慶子だった。明るい笑顔で桜たちの顔を見ると、すぐに中へと招き入れてくれた。桜は笑顔で挨拶をしながらも、警戒心はしっかりと持っていた。もしお金の話をしてきたら、そのときは自分の意見をぶつけるつもりでいた。
とはいえ、慶子はそんな桜の気持ちに気付く様子もなく、理々杏や孝弘と話をしていた。そのまま居間に入ると、ソファに見慣れない女性の姿があった。
「え?」
驚いた声を上げたのは良介だった。
「茉莉? お前、帰ってたのか?」
ソファに座っていたのは茉莉だった。茉莉はお盆に実家に帰ってくるようなタイプではない。毎年律儀に顔を出しているのは良介だけだった。
実家で顔を合わせるのは10年ぶりくらいだ。桜たちの驚きをよそに、茉莉はソファに座ったままこちらを見て頬を緩めた。
「あ、お兄ちゃん、おかえりなさい」
茉莉の笑った顔を見た瞬間、桜はなぜか嫌な予感がした。
●義父のためのリフォーム費用を全額負担したうえ、その後も義母から繰り返し金銭援助を求められる良介。お盆の帰省でも新たな要求を警戒する桜だったが、義実家には普段ほとんど帰省しない義妹・茉莉が約10年ぶりに姿を見せていた…… 後編【「家族なんだから当然でしょ?」39歳無職の義妹を押しつける義母…夫がついに下した“家族への決断”】にて、詳細をお伝えします。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
