<前編のあらすじ>
3代続く資産家の夫を病気で亡くした、三浦由紀子さん(仮名・60代)。
夫は「子どもより妻が心配だ」と友人知人に頼んで逝くほど、由紀子さんを大切にしていました。豪邸に暮らし、時計もジュエリーもバッグも贈られる日々でした。
しかし夫の死後、両親も兄弟もいない由紀子さんの唯一の話し相手は、家政婦さんだけになりました。
●前編:「あなたがいなくては生きていけない」3代続く資産家の夫を看取った60代女性…豪邸に一人、彼女を待っていた「あまりに静かな日常」
お見合いはできても、その先へ進まない
結婚相談所に入会した由紀子さん。もともと品のある人なので、お見合いをすることはできました。
しかし、その先にはなかなか進みません。お見合いのとき、由紀子さんは高級ブランドのバッグやジュエリー、時計を身につけてくるので、男性が引いてしまうからです。
おまけに「旦那さんが恋しい、旦那さんは何でも買ってくれた、とても優しい人だった」と常に旦那さんの話が出る始末。お見合い相手は「私では務まらない」と辞退されるのでした。
由紀子さん自身も、夫よりも見劣りするような男性との結婚は望みません。今の生活レベルを下げるのも嫌。
一方で、男性が年金暮らしになっていれば財布のひももそう簡単には緩まないのです。せいぜいホテルでお茶を飲むくらい。由紀子さんは子どもの頃から大切に育てられ、お金の苦労もありませんでした。そのまま結婚して大切にしてもらってきたので、世の中の相場が見えにくいところがありました。
男性が引くくらいの高級ブランドに身を包む由紀子さんには、カウンセラーもアドバイスをしていました。ブランド品はやめて、ノーブランドのバッグ、時計、服や靴を買うことをすすめましたが、由紀子さんは受け入れません。これまでブランド品ばかりだったので、それ以外は嫌だと言うのです。
また、世間を知らないことも男性にとっては不安材料になりました。男性自身も高齢になっていきます。いずれ介護が必要になるかもしれませんが、もしかしたら自分が介護される側になるかもしれない。そう考えたとき、由紀子さんが支えてくれる姿を想像しにくかったのかもしれません。
お互いに支え合える人ではないという判断があるからこそ、由紀子さんのお見合いはうまくいきませんでした。
