年金分割でもらえるのは「離婚時みなし被保険者期間」
泰子さんは、元夫の和之さんと離婚した際に年金分割を受けています。
年金分割には、離婚の当事者(元夫・元妻)の合意による「合意分割」と、第3号被保険者期間がある場合(2008年4月以降に限定)に合意なしで分割できる「3号分割」がありますが、年金分割の対象となった期間で、自身が厚生年金に未加入だった期間は、「離婚時みなし被保険者期間」(合意分割の場合)、「被扶養配偶者みなし被保険者期間」(3号分割の場合)となります。
泰子さんは和之さんと結婚していた間は、ずっと第3号被保険者として和之さんの扶養に入っており、2008年3月以前の期間は合意分割、2008年4月以降の期間は3号分割を受けていました。そして、結婚していた期間は全てみなし被保険者期間となりました。
その結果、60歳になった現時点で、みなし被保険者期間28年と、泰子さん自身の厚生年金の被保険者期間9年の合計は37年分になっています。
泰子さんの老齢厚生年金(報酬比例部分)は分割を受けた分も含めて計算されることから、老齢厚生年金(報酬比例部分)は年金分割によって増えることになります。
ただ、この年金分割によるみなし被保険者期間は、加給年金に必要な厚生年金の被保険者期間の20年には含めないことになっています。
要するに年金分割は加給年金を加算するための条件には関係ないのです。
加給年金の条件は満たしていない
泰子さん自身の厚生年金の被保険者期間は、60歳の現時点で9年しかありません。65歳まで厚生年金に加入しても14年にしかならず、加給年金の条件を満たせません。
また、厚生年金には最大70歳になるまで加入できますが、70歳になるまで加入したとしても、70歳時点で19年しかないため、今後加給年金を受給する見込みはありません。
「元夫からもらった年金分割で、加給年金までもらおうと思うのはさすがに図々しいのかもしれないわね……」
泰子さんはそう思って素直に諦めることになりました。
年金分割を受けると、年金が増えると思われていますが、増えない年金、影響しない年金もあります。
離婚して年金分割を受けた場合やさらにその後再婚した場合、特にみなし被保険者期間の取り扱いについては確認しておくと良いでしょう。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
