「340万円も増えるなんて大きいな」
離婚して新しい生活を始め、1人で老後を迎えるはずだった泰子さん。しかし、時間が経つにつれ、日常に様々な変化が起きます。
1年前、59歳となった泰子さんは、9歳下の修一さんと再婚することになりました。
「私のほうが年上だから、先に年金生活が始まるんだな。これまでは老後は1人だと思っていたけど、2人で過ごす前提で考えないと」
と、泰子さんは年金のことも考え直さないといけないと思い始め、やがて60歳を迎えました。
そんな中、偶然、配偶者加給年金という制度があることを知ります。
配偶者加給年金とは、年下の配偶者がいる場合、老齢厚生年金の支給額が上乗せされるものです。条件としては、20年分の厚生年金の被保険者期間(加入期間)が必要だといいます。
それを聞いて、泰子さんは考えました。
「私の厚生年金の被保険者期間は、結婚前に2年、離婚後に7年、計9年なので、今のままだと配偶者加給年金は受けられそうにないな。でも、離婚した時に年金分割を受けていて、元夫の厚生年金記録が私の記録になっている。元夫は28年も厚生年金に加入していたので、合算すれば配偶者加給年金を受けられるかも」
現在の夫の修一さんの年収は750万円程度でした。年齢が年齢だけにこの先上がることは考えにくく、850万円未満という加給年金の加算に必要な配偶者の収入要件も満たせるはずでした。
老齢厚生年金の配偶者加給年金は、2028年4月の法改正で、加算額が現行の年額42万3700円(2026年度)から1割減になります。ただ、それでも年額38万円程度にはなる計算でした。
しかも、自身が65歳になってから年下の配偶者が65歳になるまで加算されるとのことです。
「年間38万円。9歳差だから9年分ってことか。340万円も増えるなんて大きいな」と泰子さんは期待しました。ところが……。
●泰子さんは加給年金を受給できるのでしょうか。後編【「さすがに図々しいのかもしれないわね…」離婚後に再婚し年金受給額アップに成功した60歳女性が思い知った「社会の厳しさ」】では、年金分割の落とし穴について詳しく解説します。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
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