「20代と結婚できるわけないでしょ?」

「お待たせしました」

10分ほど待ったところで、結婚相談所の担当者がやってきた。

「カウンセラーをつとめております、長瀬理恵と申します」

そう自己紹介をすると、深々と頭を下げる。年齢は40歳くらいだろうか。真一より少し上に見えた。

白いジャケットに、白いタイトスカートを履いている。髪はやや茶髪で、パーマがかかっていた。ぱっと見、いかにも港区にいそうな、華やかな印象の女性に見えた。

――緊張するな……。

真一が硬い表情で座っていると、長瀬理恵は早速厳しい質問を投げつけてきたのだった。

「結論から申し上げますと、この条件ではご紹介できる女性がいません」

長瀬理恵は眉間にシワを寄せて、真一に厳しい目を向けている。

「まず、希望する相手は20代とのことですが、萩原さんご自身はアラフォー世代ですよね。失礼ですが、これまで20代の女性とお付き合いされたご経験は?」

「……ありません」

真一は顔を真っ赤にして返事をした。

「なのに、20代の女性と結婚できるとどうして思われたのですか?」

長瀬理恵の単刀直入でずけずけした物言いが、萩原真一の心を傷つけた。

「す、すみません……」

「しかも、ご自身の年収が550万となっていますよね」

「は、はあ……」

決して高収入ではないが年齢相応の収入だと思っていたが、そうではないのだろうか。真一は不安を抱きながら言った。

「アラフォー・年収550万で20代と結婚できるわけないでしょ?」

長瀬理恵はため息をつきながら続ける。

「20代の綺麗な女性なんて、婚活市場では引く手あまたなんですよ。年収2000万円以上のお医者さんとか、経営者の方との玉の輿婚すら狙えるわけです。そんな女性が、萩原さんと結婚したがると思いますか?」

そんな侮辱的な物言いを受けた萩原真一は、怒りに震えていた……。

●萩原真一さんの反論とは? 後編:【「年齢とか年収とか、人間をスペックだけで語るのはおかしいですよ」39歳アラフォー男性にガチ論破された結婚相談所職員が取った「驚きの行動」】にて詳細をお届けします。

※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。