金価格は、年初に最高値を更新したものの、第二四半期には中東情勢の悪化や米金利の上昇などを背景に大きく低下し、低調が続きました。

需要の面ではどのような変化があったのでしょうか? 8月から価格の戻ってきた金ですが、今後も上昇は続くのでしょうか?

2026年の第二四半期の振り返りと、今後の展望についてご紹介します。

※本記事は7月30日に公開されたワールド・ゴールド・カウンシルの「ゴールド・デマンド・トレンド: 2026年第2四半期」より一部を抜粋・編集しております。

金価格は調整局面も、金の需要は底堅く推移 今年上半期の総需要量は若干ながら堅調で、金額は急増

本第2四半期の金の総需要(OTCを含む)は、前年同期比横ばいの1,269トンでした。これにより、上半期の需要は2,522トン(前年同期比2%増)となり、金額ベースでは3,800億米ドルという記録的水準に達しました。

本四半期の金ETFは売り圧力を受けました(45トン減少)。緩やかな流出の背景には、金価格の下落や、特に北米における予想インフレ率および金利見通しの上方修正のほか、米ドルの上昇があります。

本四半期の金地金・金貨投資は、前年同期比横ばいの307トンでした。これは、極めて好調だった直近2四半期の後、通常の買いレベルに戻ったことを示しています。

本四半期、中央銀行は多くの金(289トン)を購入しました。新たに得られたデータに基づき下方修正され、大幅に減速した第1四半期の後、中央銀行の購入は、過去4年間の典型といえる高水準まで急速に回復しました。

宝飾品需要は金価格の高騰と広範なインフレ圧力が引き続き購買力を抑制したため、四半期としては新型コロナウイルスパンデミック以降における最少量(278トン)まで減少しました。一方で、金宝飾品への支出は前年同期比14%増の400億米ドルとなり、消費者の支出先として、金が引き続き重要な位置を占めていることが確認されました。

テクノロジー分野では、AI関連の需要が家電製品市場の弱さを補ったため、金の使用量(80トン)は堅調に推移しています。

※第1四半期および第2四半期のLBMA金価格午後決め値の四半期平均(米ドル)を用いて算出した。

ハイライト

本第2四半期のLBMA金価格午後決め値は平均4,506.29米ドル/オンスでした。この値は今年第1四半期平均に比べると8%の下落となりましたが、2025年第2四半期の平均からは37%上昇しました。

本四半期の金の総供給量は1,269トンで横ばいでした。 鉱山生産量は前年同期比2%増となりましたが、前四半期に比して金価格が下落したことによって、古い金宝飾品の売却意欲が減退したことから、リサイクルは前年同期比で6%減少しました。

今後の見通し

  • 今年下半期を通して、OTC取引やアジアの購入が下支えとなり、投資が需要拡大の主要な原動力であり続けると予想しています。中央銀行は2025年を下回る可能性はあるものの、今年も引き続き堅調な買い越しとなる見通しです。宝飾品における金使用量は、金価格の高止まりのため引き続き圧力を受けることが予想されます。鉱山生産およびリサイクルからの供給は、緩やかな増加にとどまると思われます。

  • 図1:第2四半期の需要は第1四半期の緩やかな成長を経て安定的に推移

  • *データは2026年6月30日現在。 出所:ICEベンチマーク・アドミニストレーション、メタルズ・フォーカス、ワールド ゴールド カウンシル

金の供給と需要

表1:四半期ごとのセクター別金の供給と需要(トン) 

注:これらの用語の説明は、「注と定義」を参照のこと。ダウンロードは https://www.gold.org/goldhub/data/gold-demand-by-country。 出所:メタルズ・フォーカス、リフィニティブGFMS、ICEベンチマーク・アドミニストレーション、ワールド ゴールド カウンシル