個人向け国債がNISA対象になったら
では、個人向け国債がNISAの対象になった場合はどうだろうか。
仮に実現しても、すべての人がNISAで国債を買うべきという話にはならない。長い運用期間を確保できる資産形成層であれば、限られた非課税枠を期待リターンの高い株式に使う方が合理的なケースも多い。
一方、すでに一定の金融資産を形成し、「増やす」だけでなく、「守る」「使う」ことも考える段階では、NISAで個人向け国債を保有することも選択肢になり得る。NISAを資産形成だけでなく、その後の運用や取り崩しまで含めて活用するのであれば、株式以外の選択肢が加わることには一定の意味がある。ただし、「NISAだから国債を買う」という順序ではない。まず資産全体の中で債券を持つ意味を考え、その上でNISAを使うかどうかを判断することになる。
「何を買うか」から「どう振り分けるか」へ
ゼロ金利の時代には、「預金では増えないから投資へ」という説明が成り立ちやすかった。しかし、金利が戻った現在は、預金、国債、株式など、それぞれ異なる役割を持つ選択肢が再び揃いつつある。
すべてのお金に同じリターンを求める必要はない。長期的に増やすお金と、近い将来使うお金、元本を大きく減らしたくないお金では、適した置き場所も異なる。債券は、株式に代わって資産形成の主役になるものではないが、「金利ある世界」に戻ったことで、「株式には投資しないお金」の置き場所として、改めて検討する意味が出てきた。
「債券に投資すべきか」と考えるよりも、自分のお金の中に債券に任せたい役割があるかどうかを考える。金利があるこれからの時代は、「何を買うか」以上に、「お金をどう振り分けるか」が重要になっていくだろう。
