NISAで債券ファンドを単独で持つ必要は…“さほど高くない”

現在、NISAでも投資信託を通じて債券を保有することはできる。債券を組み入れたバランス型ファンドのほか、制度改正によって債券を主な投資対象とする投資信託も対象に加わっている。

ただ、筆者は、NISAで債券を持つために、あえて債券ファンドを単独で取り入れる必要性はそれほど高くないと考えている。そもそも債券は株式ほど高いリターンを期待する資産ではなく、投資信託で保有すれば信託報酬もかかる。資産全体の値動きを抑えることが目的であれば、バランス型ファンドを通じて間接的に債券を組み入れる方法でも十分だろう。

一方、個人向け国債は現在、NISAで購入することはできない。今後注目したいのは、個人向け国債をNISAの対象に加える議論が進んでいることだ。実現すれば、投資信託を通じてではなく、個人向け国債を直接NISAで保有できるようになる。

改めて注目したい個人向け国債

個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類があり、いずれも1万円から購入できる。発行から1年が経過すれば中途換金が可能で、国が額面で買い取るため、市場金利の上昇によって価格が下落する一般的な債券とは性格が異なる。そもそも個人向け国債は、その名の通り個人だけが購入できる商品であり、少額から購入できることや中途換金の仕組みなど、個人投資家が利用しやすいよう設計されている点が大きな特徴である。

ここで、3種類の金利の決まり方について簡単に整理しておこう。

変動10年は、10年国債の市場金利をもとにした基準金利に0.66を掛けて適用利率が決まり、半年ごとに見直される。一方、固定5年は基準金利から0.05%、固定3年は同0.03%を差し引いて適用利率が決まり、購入時の金利が満期まで続く。

筆者作成

この違いから、金利水準によっては固定金利型の適用利率が変動10年を上回ることもある。低金利の時代には、将来の金利上昇を取り込める変動10年が有力な選択肢とされてきたが、現在は固定5年や固定3年も含め、その時々の金利環境を踏まえて選ぶ余地が広がっている。

また、個人向け国債は購入後1年を経過すれば中途換金できる。固定金利型を選んでも必ずしも満期まで保有し続ける必要はなく、中途換金調整額は差し引かれるものの、その後さらに金利が上昇すれば、改めて資金の置き場所を見直すこともできる。

金利上昇局面では、将来の金利水準を正確に予測して「最も有利な一本」を選ぼうとするより、現在得られる金利を確保しながら、その後の環境変化に応じて柔軟に見直すという考え方もあるだろう。