子どもが何歳になっても、親は子どものことを気にかけるものです。元気に生活しているか、ちゃんと食べているか。あれこれと気を揉んでしまうのが親心でしょう。何も言わずに遠くから見守る親もいれば、つい口出しをしてしまう親もいて、その対応はさまざまです。今回は、子どもの結婚に口出しをした親と、その結末についてお話しします。

結婚しない息子を親が結婚相談所に入会させる

吉本誠さん(仮名・47歳)は、東大卒のエリートでまじめな方です。地方出身で、大切に育てられた一人っ子でした。

彼が結婚したら、ご両親は田舎から東京に出てくるつもりでした。吉本さんは仕事にバリバリ打ち込むタイプで、実家には滅多に帰りません。だからこそ両親のほうから、息子の近くに行こうと考えたのです。お嫁さんが同居を嫌がることも考え、あくまで近くに住むつもりでした。田舎の家を処分して東京にマンションを買い、息子と何かと交流できることを願う。それが両親のささやかな希望でした。

吉本さんのお父さんは地方で働いており、70歳を過ぎても会社に引き留められるほど仕事のできるシニアでした。以前から「息子が結婚したら東京に行く」と決めていたものの、なかなか結婚が決まりません。そこでお父さんが吉本さんに、当社への入会を勧めたのです。実はこうしたケースは、近年増えています。子どもがなかなか結婚しないため、親が結婚相談所を探して入会を勧める――子どもの重い腰を上げさせるための、ひとつの方法になっているのです。

紆余曲折はあったものの、吉本さんはお見合いを重ね、ついに交際へと進みました。それまでうまくいかなかったのに、なぜ今回はうまくいったのでしょうか。理由のひとつは、仕事の話をする中で、毎日深夜まで働く吉本さんの姿が、お相手の鈴木麻衣さん(仮名・41歳)の目に「真面目で仕事熱心な人」と映ったからだと思います。実際、責任ある仕事を任されており、日々忙しく働いていました。

ただ、ニコニコと愛想がいいタイプではなく口下手なので、女性受けするタイプとは言えません。それでも根は悪い人ではないので、鈴木さんも吉本さんの人柄を理解できたのでしょう。