白石まどかさん(仮名)は帰国子女で、結婚して家庭に入った後はフリーで翻訳関係の仕事をしています。実は、白石さんは大学受験の際に美術史科を受験したほどの美術通。白石さんによく似たひとり娘の藍花ちゃんも小さな頃から絵画を見るのが大好きです。
しかし、藍花ちゃんと美術館めぐりをするようになって、白石さんは次第に違和感を覚えるようになりました。海外の美術館は一定年齢まで入場無料のところが多く、世界的なアーティストによる子どもを対象としたワークショップを開催するなど、次世代への美術体験の提供に積極的です。一方、日本の美術館や主要美術展では子ども料金を負担させられることも多く、会場設計や音声ガイドの内容からして、あまり子ども客を配慮していないように感じられます。
「『子どものための』とか『ファミリーの』といった冠詞がつかない展覧会では、子どもは大人の邪魔にならないようにおとなしくしていなさいね、ということなんですよ」と、白石さん。最近出かけた有名美術展でも子連れゆえのトラブルに巻き込まれてしまったとか。今でも思い出すと怒りが湧き上がってくるという白石さんから、その体験について聞きました。
〈白石まどかさんプロフィール〉
東京都在住
40歳
女性
フリーランス
会社員の夫と小学4年生の娘と3人暮らし
金融資産1800万円(世帯)
美術好きの小4娘とゴッホ展へ
娘の藍花は小学4年生です。物心ついた頃から美術に興味を持ち始め、私と一緒に画集を見たり、美術展に足を運んだりするようになりました。
特にゴッホの作品が好きなようです。
私はゴッホの《ひまわり》や《星月夜》などに、シンプルに美しいというのとはちょっと違うおどろおどろしさを感じてしまうのですが、藍花によれば「それが人間らしくていい」のだそうです。藍花にはどこか達観したようなところがあり、ゴッホが好きなのもそういう大人びた感性のなせる業なのかなと思っていました。
ここ何年かはゴッホ展が続いて、藍花と見にいく機会が増えています。今、都内で開催されているゴッホ展も、早くから予約を取って、仲良しの優衣ちゃん母子と一緒に出かけました。
