金利が上がることを前提に、返済計画を考える

今回のご夫婦のケースから、ローン地獄に陥らないためのポイントをまとめると、フルローンと超長期ローンを組むなら条件があるということです。

<フルローンで借りても良い条件>

フルローン自体は悪いことではありません。手元資金の資産運用を優先することで、長期的には家計全体の資産を増やせる可能性があります。ただし、フルローンを選ぶなら、金利が上昇しても、子どもの成長とともに生活費と教育費が上昇しても、毎月の返済額を払い続けられる借入額の範囲内であることが大前提です。

そして、投資を優先するのであれば「何歳までに完済したいか」という目標を明確に決め、その年齢時点でローン残高を返済できるだけの資産を積み上げる運用計画をセットで立てます。変動金利を選ぶなら、なおさらこれは必須の作業です。実際、完済させるかどうかは別として、いつでも繰上返済できる資産を作っておくことが大切なのです。

<超長期ローンを組む前に確認すること>

40〜50年の超長期ローンでしか毎月返済できない金額なら、それは危険水域に踏み込んでいる可能性が高いです。また「途中で売却するからローンを払い切らない」という考えも、不確実な要素を多く抱えています。売却価格は保証されておらず、売却資金でローンを返済できたとしても、金利上昇局面では思ったほど手元資金が残らない可能性があります。資産価値を守るために家に傷がつかないよう日々気を遣っている話も聞きます。地価下落のニュースに不安を覚える精神的な負担も見逃せません。「売却してローン返済」という出口戦略は、描いた通りに進まないリスクが十分あるのです。

住宅ローンは、完済するまで家計に影響し続けるものです。金利が上がっても返済できる金額かどうかを確認し、目標完済年齢までに残高を賄える運用計画を立てた上でローンを組む。それが、ローン地獄を避けるための確実な方法になるでしょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。