1枚3万円のチケット、10万円の投げ銭
「……何だ、これは」
明細には、チケット販売サイトや、ライブ配信アプリへの課金履歴が延々と続いていた。
1回3万円のプレミアムチケットを全国の公演で買い漁り、配信では一晩で10万円単位の「投げ銭」を投げ込む。それだけではない。パート代で足りない分は共通の貯金から、さらには消費者金融からさえも、彼女は金を引っ張っていた。
娘のために貯めていた教育資金450万円は、跡形もなく消えていた。それどころか、200万円近い借金が美穂の背中にのしかかっていたのだ。
「全部、彼を支えるために必要だったの……。私が支えないと、彼は輝けないのよ!」
泣き叫ぶ美穂の姿は、私の知っている妻ではなかった。見知らぬ狂信者がそこにいた。
絶望の淵で、冷めきった夕食を前に
450万円という大金。それは私たちが10年間、外食を控え、趣味を削り、泥水をすするようにして貯めてきた結晶だ。それが、どこの馬の骨ともしれない男の「衣装代」や「楽屋花」に消えた。
娘は塾で遅くなる。静まり返ったリビングで、私は美穂と向き合う気力さえ失っていた。
信じていた10年間は何だったのか。
「……離婚だ」
乾いた声が自分の口から出た瞬間、美穂がガタガタと震え出した。
だが、地獄はこれだけでは終わらなかった。翌朝、さらなる衝撃の事実が私のスマホに届いたのだ。
●妻が隠していたのは借金だけではなかった……。発覚した「もう一つの裏切り」とは? 後編【「パパ、ママ、喧嘩しないで」娘の涙で止まった離婚届…推し活破産の妻に夫が示した“関係修復”の条件】で詳説します。
