2024年の新NISAスタート以来、基本的には絶好調だった米国を中心とした世界株式市場の「足踏み状態」が、やや長引いています。

さらに、足もとでは中東情勢の不透明化も加わっており、まさに一喜一憂の株価の乱高下が起こっています。

投資信託のプラスの評価額を見るのが楽しみだったという人も、見るのが嫌になったり、少し怖くなったりしているところかもしれません。

当「20年後ラボ」を読んでいるような方々は心配ないかもしれませんが、それまでの自信が揺らぎつつある人が出てきそうな現状を踏まえ、改めていくつかお伝えしたいことがあります。

株式の本質と投資期間の“運”

当社アモーヴァ・アセット(旧 日興アセット)は、約20年間にわたって「そもそも株は上がるもの」という発信を、様々な機会でしてきました。

かなり大胆な言い方ではありますが、企業は利益を増やして永続するのが使命であること、物価上昇が売上と利益の金額自体を上昇させること、そして下グラフのような過去の事実に鑑みても、大きく間違ってはいない主張だと思います。

先進国株式の超長期推移(米ドルベース)

 

期間:1985年1月1日~2025年12月31日 起点を100として指数化(対数目盛)
先進国株式:MSCI-KOKUSAIインデックス(米ドルベース)
信頼できると判断した情報をもとにアモーヴァ・アセットマネジメントが作成。上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。

また、始点と終点の2時点の変化率を計算してみると、巷で言われる「年率8~10%」という数字も、けっして間違いではない(なかった)ことも分かります。

しかし、言うまでもなくこの数字は、「スタートとエンドの取り方」次第。この期間中の高いところでスタートし、イマイチなところをエンドとして計算すれば、もっと低い数字に(期間によってはマイナスにも)なりますし、その逆も然りです。

つまり、自分が「市場のどの時期」に居合わせるかによって、成果が大きく左右されてしまうのです。

私は25年以上にわたり積立を中心に株式投信で投資を続けていますが、そんな私は、株式の本質については「そもそも株は上がるものだ」と強く信じている一方で、結果を左右する「自分がたまたま参加しているこの投資期間がどうなるのか」については、「“運”次第さ」と半ば諦めているところがあります。

実際、昨年までのような絶好調の市場に居合わせたのも、現在のようなイマイチ冴えない市場に付き合わなければならないのも“運”。どんなプロであっても、誰ひとり事前に知ることができなかったことです。

YouTubeなどを見ると、現状を解説したり方向性を予想したりする情報があふれています。しかし、すぐに売却しなければならない事情がある方でない限り、無理にそうした情報に接する必要はありません。

そうした動画を観て焦るくらいなら、「しょせんは“運”次第。そのうち運気も向いてくるだろうからノンビリいこう。“そもそも株は上がるもの”なんだから――」といった方向に意識を持っていくことが、多くの方にとって、今必要なことだと思います。

お分かりの通り、できるだけ“運”に左右されづらくするためのひとつの方策が長期投資です。例えば1年で売らねばならない投資がまったくもって運頼みであるのに対し、10年、20年とスタートとエンドの間を長く取れば取るほど、短期的な“不運”に左右される度合いは減っていきます。

以上が、今改めてお伝えしたいひとつめです。つまり、「株は上がるもの」という株式の本質と、「でもその市場自体は“運”次第だから――」とに切り分けて考えることによって、改めて長期投資の必要性を理解するということです。