「俺を病人に仕立てるな!」差し伸べた手を拒む息子の叫び

筆者との面談後、母親は幹太さんに障害基礎年金の話をしてみました。すると幹太さんは顔を真っ赤にして言いました。

「ふざけるな! 俺がこうなったのはお前のせいだろ? 何で俺が病院を受診しなくちゃいけないんだよ。もう二度とこの話はすんな!」

母親にそう言い放ち、一切聞く耳を持たなかったそうです。

報告の最後に母親は言いました。

「残念ながら、長男は同意をしてくれませんでした。せっかく相談に乗っていただいたのに、申し訳ございません。長男は何で分かってくれないのか……」

「それは大変でしたね。事情はよくわかりました。もし今後ご長男が受診するようになったら、その際はご連絡ください」

筆者はそのように伝えることしかできませんでした。

その後、母親から連絡が来ることはありませんでした。幹太さん家族はどうなってしまったのか。今となっては知る由もありません。

今回のケースのように、本人が望まないのであれば、障害年金の請求に向けて先に進むことは難しくなってしまいます。家族としてはもどかしい気持ちになってしまうでしょうが、こればかりはどうしようもありません。

本人の気が変わるその時まで、家族が粘り強く説得を続けるしか方法はないのが現状でしょう。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。