<前編のあらすじ>

北千住で8年間の一人暮らしを満喫していた30代の麻央さんは、近年のエリア人気に伴う家賃の急激な高騰に直面します。月12万円から16万円への3割以上の値上げを提示されますが、貯蓄が少なく支払う余裕もありません。

苦渋の決断で都下の実家へ戻るものの、待っていたのは家族からの冷ややかな反応でした。さらに、実家では早朝から家事を押し付けられるなど「家主」である母の支配下に置かれる厳しい共同生活が幕を開けたのでした 。

●前編:【家賃大幅値上げで実家に「不名誉帰還」のアラサー女性…実家で母が放った「残酷すぎる一言」】

8年過ごした憧れの街との決別

私は就職して家を出た時から8年間、東京の北千住で一人暮らしを満喫してきました。ですが、昨年の更新でいきなり月12万円の家賃を3割以上上げると言い渡され、物価や光熱費も上がる中、とても支払う余裕がないので泣く泣く退去を決めました。

最初は「そんな理不尽な話がある?」と思いましたが、調べてみると、借地借家法という法律で家主が正当な理由で家賃を上げる権利は保証されているようでした。私が住んでいた8年間のうちに、北千住は「家賃の高い人気エリア」に変貌していたのでした。

加えて、その前の更新は家主さんが代替わりするタイミングだったこともあり、本来は上げるべき家賃が据え置かれていたのだとか。不動産屋さんからは「むしろこの2年間がラッキーだったのであって、今回の値上げはそのしわ寄せが来た形です」と言われましたが、そんなのはあくまで家主さんの都合です。

一人暮らしの気ままさから結構自由にお金を使ってきたので、年齢の割には貯金もありませんでした。北千住に住み続けることを前提に家賃の安い物件を探してみたのですが、駅から極端に遠かったり、築50年の物件だったりして、とても住む気にはなれません。更新の時期も迫っていたため、やむを得ず、JR中央線の奥の方の実家に戻ることを決めたのでした。