柱は二次電池、スマホ向け世界シェア首位 次はスマートグラスで成長へ

TDKの成長性を考察するうえで重要な事業がエナジー応用製品です。スマートフォン向け小型二次電池が看板商品で、世界シェアの50~60%を握ります。全体の利益の大半を稼ぐ好採算に強みがあるほか、成長性も高く、中長期で株価の高パフォーマンスを支えてきました。

【セグメント情報(25年3月期)】

セグメント情報(25年3月期)を表した図表
 

※MEMS(微小電気機械システム)センサ…シリコン基板上に回路や可動機構などと一体化して製造されるセンサ。速度や回転を計測する慣性センサが代表的で、主な用途に自動車やスマートフォン

出所:TDK 決算短信
 
TDKのセグメント営業利益(2018年3月期~2025年3月期)
 
出所:TDK 決算短信より著者作成
 

エナジー事業は基調的な成長が想定されます。主な最終品であるスマートフォンは買い替え需要が強く、5G対応機種の世界出荷台数は22年の9億3853万台から30年に15億6941万台まで増加する見通しです。さらに、30年代以降は6Gの商用化が見込まれています(出所:総務省 情報通信白書)。TDKのスマートフォン向け小型電池も、当面は高い需要の継続が予想されます。

今後はスマートフォン以外でも成長を目指します。小型電池はウェアラブル端末への展開が期待されており、特にTDKはスマートグラスに注力しています。30年まで年平均39%の成長が予想される分野で、小型電池には新しい収益機会が訪れています。

スマートグラスは、電池だけでなく他の事業にも追い風です。同製品はAR(拡張現実)やVR(仮想現実)といった技術を盛り込みますが、実装にはレーザーやセンサといった各種の電子部品が不可欠です。

TDKは既存の自社技術のほか、25年6月に買収したスマートグラス向けソリューションを手掛ける米ソフトアイ社の技術も取り込み、ハードとソフトの両面から総合的にラインナップを拡充して成長を目指します。