スペシャリティには2800億円投資 赤字の炭素繊維が成長ドライバーに
続いて注力分野にも目を向けましょう。三菱ケミカルグループは事業の見直しを進める一方で、スペシャリティには投資を拡大しています。
スペシャリティは特定の業界に向け機能性の高い材料を提供する事業です。三菱ケミカルグループは高シェアの製品が多く、例えば半導体ウェハー材料の合成石英は世界シェアが100%に達します。
スペシャリティは付加価値が高く、相対的に採算性の高い事業群です。三菱ケミカルグループは利益率の向上を目指し、この領域に資本を集中させる戦略をとっています。半導体や炭素繊維・複合材(パーツ)などを「成長ドライバー」に、窒化ガリウムや光電融合通信などを将来の成長基盤となる「次世代」と整理し、両者に計2000億円を投じてきました。また現金を創出している電池・エレクトロニクスやポリマーズ(コンパウンド)などは「収益基盤」とし、800億円を投じています。
中長期で特に成長を見込むのが炭素繊維・複合材(パーツ)です。炭素繊維を樹脂などで固めた複合材を、部品などに成形したものを指します。軽量かつ高強度であり、精密機械や医療用機器などの部品に用いられます。
炭素繊維・複合材事業は足元で赤字ですが、収益力の高い川下のパーツ事業を増強したことで黒字化が射程圏に入っています。パーツ事業は次世代モビリティ向けの成長が期待されており、30年3月期には半導体向け事業を超える収益源になる見通しです。
これらの投資を背景に、スペシャリティはケミカルズのなかで最も利益が成長する計画となっています。同時にそのほかの領域は構造改革を推進し、高成長を目指します。
【セグメント別の目標コア営業利益(~30年3月期)】
・スペシャリティマテリアルズ:1440億円(25年3月期実績:239億円)
・MMA&デリバティブズ:540億円(同357億円)
・ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ:440億円(同-146億円)
・(参考)ケミカルズ計:2360億円(同427億円)
・産業ガス:2240億円(同1861億円)
出所:三菱ケミカルグループ IR Day2025資料