除外商品を保有していた場合の判断材料

商品除外への個々人の対応は、当該運用商品を継続するかどうかの判断となります。

まず認識いただきたいのは、運用商品除外はやみくもに実施しているわけではないという点です。

事業主や金融機関は除外を行うかどうかについて、時間をかけて検討しています。また、現状では手続きについて事業主の費用負担もあるため、慎重にならざるを得ません。そのうえで、運用商品除外の判断をしているという点を認識いただきたいと思います。

元本確保型商品(定期預金・保険商品)

商品除外の検討にあたり、複数ラインアップされている元本確保型商品を整理するというプランが多いようです。

法令によればリスク・リターンの異なる運用商品のラインアップが基本的な考え方ですが、元本確保型の商品性はよく似ています。過去、元本確保型の適用金利や予定利率は、どの金融機関であってもほぼ同様で、定期預金の適用金利が0.002%という時期が4年程度続いたこともありました(100万円の残高があったとしても20円の金利)。

以前は3本以上の運用商品の提供と、そのうちの1本は必ず元本確保型にしなければならないという法令上の制約がありましたが、現在では元本確保型の提示は必須ではなくなっています。

元本確保型商品を保有していて、除外商品にあたる場合、運用商品を見直すチャンスと前向きにとらえ、早い段階で商品別配分変更(掛金部分の運用商品を変更すること)に取り組みましょう。

投資信託(パッシブファンド)

パッシブ型の投資信託を除外候補商品にする場合、代替する投資信託が用意されていることがほとんどです。

その背景には、パッシブ型の投資信託の手数料(信託報酬等)引き下げがあります。同じカテゴリー(たとえば国内株式型)のパッシブファンドであっても、運用会社によって信託報酬が異なります。

DC制度開始時にはほぼ同じ信託報酬だったとしても、その後、信託報酬を引き下げる運用会社と、変更しないままの運用会社があります。結果的に、同じカテゴリーのパッシブファンド間で信託報酬に開きが出ており、加入者の効率的な運用を阻害することにつながっています。

除外候補商品のパッシブファンドを保有している場合、同じカテゴリーのパッシブファンドが採用される確率が高く、より低廉な手数料になっていると思われます。

投資信託(アクティブファンド)

アクティブ型の投資信託を除外候補商品にする場合、とっているリスクが大きい割には、リターンが上がっていないなどの理由が想定されます。また、当初の運用方針からのズレが生じている場合などもあります。

※パッシブファンドは、インデックスに追随する運用結果を目指し、アクティブファンドはインデックスを上回る運用を目指すもの。たとえば、国内株式型のインデックスとしては東証株価指数(TOPIX)や日経平均を採用しているものが多い。