未公開株投資ブームの次に来る、合理的な選択

近年、日本でも未公開株投資が身近なものになってきました。かつてはプロの機関投資家や一部の富裕層に限られていたベンチャー投資に、個人が参加できる環境が整ってきたこと自体は、非常に意義のある変化だと思います。

ベンチャー企業の成長を資本面から支え、その果実を投資家が共有する。この流れは、資本市場の健全な発展という観点から見ても前向きに評価されるべきでしょう。一方で、未公開株投資が一般化するにつれ、「何に投資するか」だけでなく、「どのように投資するか」が、これまで以上に重要になってきています。

ベンチャー投資の本質は「成功確率の低さ」

まず押さえておきたいのは、ベンチャー投資は構造的に成功確率の低い投資であるという点です。

スタートアップ企業の多くは途中で事業が立ち行かなくなるケースが一般的であり、その過程を乗り越えたごく一部の企業だけが大きなリターンを生みます。これは日本に限らず、米国を含む世界共通の現実です。つまり、1社の未公開株に投資するという行為は、どうしても「当たり外れ」の影響を強く受けやすくなります。

メディアで頻繁に取り上げられる成功事例は全体の一握りに過ぎず、その背後には表に出てこない多数の失敗例が存在します。