流入額の第2位に新設ファンドがランクイン

流入額上位20ファンドでは、トップは前月同様に「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」(流入額1964億円、前月2095億円/設定は三菱UFJアセットマネジメント)だった。第2位に新設ファンドの「TRプライス キャピタル・アプリシエーション・ファンドB(ヘッジなし)」(流入額1913億円/ティー・ロウ・プライス・ジャパン)が入った。前月第2位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」(同1371億円、1433億円/インベスコ・アセット・マネジメント)は第3位に、前月第3位だった「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(同1319億円、1427億円/三菱UFJアセットマネジメント)が第4位に下がった。前月第4位だった「野村日本バリュー厳選投資」(同183億円、1146億円/野村アセットマネジメント)は第17位に後退した。

前月第5位だった「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド D」(同910億円、945億円/フィデリティ投信)は第5位をキープ、前月第6位の「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」(同374億円、942億円/ピクテ・ジャパン)は第9位に下がった。前月第7位だった「ニュートン・パワー・イノベーション・ファンド(ヘッジなし)」(同418億円、607億円/三井住友DSアセットマネジメント)が第6位に上がっている。流入額上位ファンドでは、インデックスファンドへの資金流入額がやや衰え、アクティブファンドが流入額の減少率が抑えられた関係で、アクティブファンドの順位が上がるという変化が起こっている。

資金流入額ランキングで第2位になった「TRプライス キャピタル・アプリシエーション・ファンド」は、基本的な配分比率を株式60%前後、残る40%程度を債券とキャッシュにして運用する。古くから米国にある典型的な資産配分比率で運用するファンドだ。米国では1986年6月末からの運用実績があるが、その運用実績で米国「S&P500」を上回る成績を残している。2025年6月末時点で設定来のリターンは年率11.3%と同期間の「S&P500」の同10.9%を上回っている。単純にインデックスを株式60、債券40で組み合わせた成績では「S&P500」には勝てないが、株式部分を「GARP(グロース・アット・リーズナブル・プライス:割安価格にある成長株)」という視点で銘柄選択をしていること、また、債券の部分でハイイールド債券などの運用成績、株式と債券の配分比率の調整などで超過収益を稼いで長期では良好な運用成績を実現している。米国では残高が14兆円規模に膨らみ新規募集を停止していた。その戦略を日本国内で限定的に募集開始したことで人気になったと考えられる。