5年間で増えたのはアリ派? それともキリギリス派?
この傾向は継続しているのだろうか。過去5年間の推移を振り返ってみよう。
将来に備えるか、毎日の生活を充実させて楽しむか(参考表)
出所:「国民生活に関する世論調査(速報)」(内閣府)よりFinasee編集部作成
2021年から2025年までの5年間の推移からどのような特徴が浮かび上がるのか。調査結果によれば、「貯蓄や投資など将来に備える」と回答した“アリ派”の割合は5年間で減少(45.2%から43.5%、1.7ポイント減)。逆に「毎日の生活を充実させて楽しむ」と回答した“キリギリス派”は5年間で増加した(54.0%から55.7%、1.7ポイント増)。また、割合としてはどの年もキリギリス派が優勢だったが、2023年にはアリ派との差が3.6ポイントまで縮小した(直近の2025年は12.2ポイント差)。
ちょうどその頃は新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、日本でもコロナ後の経済活動が本格的に再開した年。また2022年から急速に拡大した物価上昇が2年目に突入した年 でもある。今後の物価動向への不安や、コロナ禍の記憶が鮮明な中で将来への備えを優先する人が増えた可能性もある。
ところで毎日の生活を充実させるには何をしたらいいだろうか。別問で「自由時間が増えた場合にしたいこと」を聞いているが、最も回答率が高いのは「旅行」(61.1%)だった。非日常感を味わえることなどから、まとまった時間が確保できたら旅行をしたいと考える人は多いようだ。
次いで「映画鑑賞、コンサートなどの趣味・娯楽」(41.3%)、「睡眠・休養」(31.6%)と続く。一方で2021年から2025年まで5年間の推移では旅行や趣味・娯楽が減少するなか、睡眠・休養が増加率でトップ(25.9%から31.6%、5.7ポイント増)となった。 みなさんお疲れのようだ。
<調査概要> 調査名/「国民生活に関する世論調査」(速報) 調査主体/内閣府 調査時期/令和7年8月7日~9月14日 調査対象/全国18 歳以上の日本国籍を有する5000 人(回収数2729 人)調査方式/郵送法

