60代単身世帯「元本割れ」経験の割合は?

全国の家計の資産運用や家計の状況などを調査した「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から「元本割れの経験」について60代の回答を見ていこう。

■元本割れの経験(60代単身世帯)

元本割れの経験(60代単身世帯)
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(回答数429)よりFinasee編集部作成
 

60代の単身世帯ではどの程度、元本割れを経験しているのだろうか。調査結果によれば「経験がある」と回答した人は39.4%、つまり約4割となっている。

対して「経験がない」と回答した人は60.6%。うまく元本割れを避け、投資額を上回る運用成果を得ることができたのだろうか。あるいは大きなリスクは取らず、そもそも元本確保型のみで資産形成を行ってきたのかもしれない。

なお、70代の単身世帯では元本割れの「経験がある」との答えが47.4%と、60代単身世帯より8.0ポイント高かった。60代の方が比較的、慎重な運用を行っているのだろうか。あるいは運用を始めた時期にもよるが、70代の方が運用期間が長い人が多く、その間に元本を割る局面があった等の要因も考えられそうだ。

元本割れ、その時どう受け止めた?

元本割れは誰しも避けたいところだが、実際に起こってしまった場合にはどう受け止めたのか。元本割れ経験者の受け止め方を参考にしてみよう。

■元本割れ経験の受け止め方(60代単身世帯)

元本割れ経験の受け止め方(60代単身世帯)
 
出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※実数169)よりFinasee編集部作成
 

元本割れを経験した60代単身世帯の受け止め方として、最も回答率が高かった答えは「自分の相場についての予想が外れたのであるから、それは仕方がない」で74.6%。4人のうち3人は自己責任として受け止めている結果となった。

次いで「自分が元本割れするリスクをよく理解していなかったのであるから、それは仕方がない」が16.0%。一方で金融機関からのリスク説明不足、または誤解を招く広告・勧誘を理由に挙げた人は合わせて9.5%と、少数派となった。

70代単身世帯の答えを参考に見てみると、「相場予想が外れたから仕方ない」は68.9%で、60代単身世帯の方が5.7ポイント高い。一方で「元本割れリスクを理解していなかったから仕方ない」は16.2%と同水準だった。