家族手当ともいえる配偶者加給年金。年金制度改正によって、2028年4月以降新規にその加算を受ける人から加算額の縮小もされますが、加算されるかどうか、いつまで加算されるかは夫婦の年齢差や厚生年金の加入記録によって影響を受けることになります。
加給年金の加算が気になる夫
夫の知樹さん(仮名)は64歳。大学卒業後に就職して以来会社員を続け、60歳の定年後も再雇用で勤務していましたが、来年65歳で退職し、いよいよ年金生活に入ろうとしています。65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が受けられるようになっています。
一方、ちょうど2歳年下の妻の広美さん(仮名、62歳)は大学卒業後、公立中学校の教員を10年続け、退職後しばらく専業主婦をしていましたが、その後学習塾の講師を16年続けていました。現在は退職しています。広美さんは「公立中学校教員で共済組合に10年加入、学習塾に勤務して民間の厚生年金に16年加入、合計26年か。それなりに働いたから、年金もそれなりかな」と思っています。広美さんは63歳から特別支給の老齢厚生年金(特老厚)、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給され、公立中学校の共済期間についての経過的職域加算も加算されるようでした。
知樹さんは自分自身の年金について調べていた時、年下の配偶者がいる場合に加算される配偶者加給年金の存在を知ります。自身が65歳になって老齢厚生年金を受給すると、その生計を維持された年下の配偶者が65歳になるまで加算されるとのことでした。知樹さんと広美さんはちょうど2歳差で、このままいけば生計維持もありそうです。年間41万5900円(2025年度)で、これが来年・2026年から2年間となると合計約80万円加算される計算になります(※2026年から加算されるため制度改正前・縮小前の加算額)。
しかし、知樹さんは「夫婦共働きで、年下の配偶者が厚生年金に20年加入していると加給年金が受け取れない」という情報も耳にします。「会社員だけでなく、共済組合に入る公務員も今は厚生年金の加入者になってるんだよな……妻は厚生年金の加入は合計26年あることになる」「ということは、加給年金は出ないってことになるのか」と気になり始めます。