◆遂に1トロイオンス=3000ドルを突破した金相場

2025年3月14日、NY金先物市場で金の価格は1トロイオンス(約31.1035グラム)あたり3000ドルの大台を突破した。2024年3月13日は2180ドルだったため、1年間で約38%の上昇率になった。2024年3月までにも1年間で約14%の値上がり率だったため、2年連続で2ケタの上昇率、かつ、その上昇の勢いが加速しているような動きになっている。しかも、3月になってからの価格上昇は、「トランプ関税」による景気後退懸念の台頭で米国株や欧州株など主要国の株価が軟調になる中での史上最高値更新だったため、株価とは異なる材料で価格が変動するという「金」の値動きの特徴を印象付けた。「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は、2025年2月末時点で過去1年間のトータルリターンが38.98%と金価格の上昇をストレートに反映したパフォーマンスを残している。

為替相場が2024年2月末に1ドル=149.90円から2025年2月末は149.83円と、ほぼ横ばいだったために、2月中はマーケットへの為替の影響はほとんどなかった。ただ、今年年初に1ドル=157円台だったドル円は2カ月余りで148円台へと6%程度の円高になっている。米トランプ政権は「米ドル1強」になっていた為替相場が、米国の輸出を阻害する要因になっていると考えて、関税と併せて為替のドル安を志向しているという見方もある。

金の値動きに着目するのであれば為替相場の動向を切り離すことができる「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)」の選択肢もある。同ファンドの過去1年間のトータルリターンは32.90%。為替ヘッジのコスト負担があるため、パフォーマンスはやや目減りするものの、金価格の上昇をパフォーマンスに反映させている。

執筆/ライター・記者 徳永 浩