みずほ銀行の投信売れ筋ランキング2025年2月のトップ4は、前月と同様だった。これは、2024年11月から4カ月連続となる。トップは「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」、第2位以下は「キャピタル世界株式ファンド」、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」、「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)」だった。前月第5位だった「キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)」が第6位に後退し、前月第6位だった「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカICA年2回決算(分配重視)」が第5位に上がった。トップ10圏外からは「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」が第8位に食い込んだ。「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」がトップ10にランクインするのは2024年11月以来3カ月ぶり。
◆リスクを抑えて安定的なリターンを獲得するバランスファンド
みずほ銀行の売れ筋で2024年4月以来トップを独走する「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」は世界の株式、債券、リート(不動産投信)、コモディティ(金や貴金属、穀物、原油など)に広く分散投資することによって安定的な運用収益をめざすほか、市場環境の変化に対応して機動的に配分比率を見直す。2023年9月の設定で、2025年2月末まで1年5カ月間の設定来リターンは16.39%、過去1年間では9.30%という成績だった。
同ファンドの特徴として、非常にきめ細かな資産分散がある。たとえば、「株式」についても「世界の高配当公益株式」「新興国の高配当株式」「高い経済成長が期待される新興国株式」「高い競争優位性を持つグローバル優良企業の株式」「世界のメガトレンドに基づくテーマ関連株式」「世界のディフェンシブ企業の株式」ほか、「MSCIワールド・インデックス」「S&P500」などの株式インデックスETFなど、さまざまな切り口でカテゴライズされた銘柄群(または、ETF)を投資対象とし、時々の世界経済や情勢の変化に応じて組み入れ比率を機敏に変更している。
また、株式や債券とともに、金(ゴールド)についても主要な投資対象として位置づけており、その組み入れ比率の増減をファンドのリスク・リターンのコントロールにも使っている。2025年2月末時点での主要資産への投資比率は「株式」37.4%、「債券」35.8%に対し、「金」は19.7%という比率だ。積極的に「金」のリスクもとって、リターンへの貢献を狙っているため、この組み入れ比率の高さになっている。
このように、幅広い資産を投資対象とし、かつ、組み入れ比率も柔軟に変更するという運用の仕組みから、長期に継続保有することを前提にしたファンドといえる。同ファンドのパフォーマンスをバランス型ファンドの平均と比較すると、トータルリターンでは平均が1年3.26%に対して9.30%、リスク(標準偏差)は平均6.57%に対して5.58%と、リスクを低く抑えてより高いリターンを獲得している。リスク当たりのリターンをはかるシャープレシオは1.59と、バランス型ファンドの平均0.34を大きく上回っている。同ファンドの人気が続いているのは、この高い運用成績が続いているためだろう。この高い成績が続いている限り、簡単には人気が衰えるということにはならないと考えられる。