相続税対策で多いのは「生前贈与」と「生命保険」

では具体的に何か対策を実施している人はいるのか。調査では、「具体的にどのような相続税対策をおこなっているか」を質問。

最も回答率が高いのは「相続税対策はおこなっていない」で70.4%にのぼった。税務という敷居の高さも手伝ってか、具体的な行動に移せていない人が多いのかもしれない。

次いで多いのは「生前贈与の活用」で15.4%。生前贈与とは、自分が生きているうちに他者に無償で財産を与えること。相続財産が減るので、その分だけ相続税も減らすことができる。もちろん生前贈与にも贈与税がかかる。こちらも相続税と同じく累進課税だが、毎年110万円の基礎控除額があるため、渡し方を工夫すれば、財産をあまり減らさず、次世代に遺せるかもしれない。

また「生命保険の活用」(14.6%)も3番目に回答が多かった。全額が相続税の課税対象となる預貯金などとは違い、生命保険の死亡保険金を相続人が受け取る場合は500万円×法定相続人数という非課税枠が設けられており、この金額の範囲であれば非課税になる。

出所:和上ホールディングス 「相続税対策」に関する調査

相続税対策の敷居が高い納得の理由1位は?

調査では相続税対策を行ううえで、どのような点が不安なのかも質問している。結果を見ると、回答率が最も高いのは「手続きが煩雑」で50.7%にのぼった。次いで「税制改正のリスク」(45.3%)、「対策の効果が不透明」(37.9%)と続く。やはり税務の専門的な知識がないと実践は難しそうだ。

一方で「特に不安はない」という人が16.2%と一定数存在。後述するが、なにか理由がありそうだ。

出所:和上ホールディングス 「相続税対策」に関する調査