元本確保型が減り、投資信託が増えた理由
元本確保型の選択割合は年々減っており、預貯金は3年前比で約10ポイント、保険は約7ポイント減っています。
反対に、投資信託が選ばれている割合は約20ポイントも増えています。理由としては2つほど挙げられそうです。1つは2022年10月の制度改正により、これまでiDeCoに加入できなかった企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入者がiDeCoを併用できるようになったこと。企業型DCの加入者の多くは、勤務先で運用に関する教育(導入時や継続時における投資教育)を受けることになっています。こうした教育などを受けて運用商品に関する知識を身につけた人がiDeCoに加入し、運用商品に投資信託を選んだ可能性はありえるでしょう。
2つ目はNISAの普及、新NISAの開始です。2024年に始まった新NISA(少額投資非課税制度)はそれまでのNISA制度をさらに利用しやすく改定し、広く普及が図られています。開始以来、口座開設者数は右肩上がりに増加しています。
新NISAではもともと預貯金や保険といった元本確保型商品は対象商品から除外されています。そのため投資信託や個別株式といった価格変動型の商品を運用することになります。結果、投資信託をはじめとする元本確保型ではない商品での運用に対する意識や理解が深まった人がiDeCoに加入した場合、それらの商品がiDeCoでも選択肢となったことが推測されます。
なお、前述どおり元本確保型商品にも種類があります。具体的にどんな商品が選ばれているかを知ることで自らの資産形成の役に立つかもしれません。
●選ばれている元本確保型商品とは? 後編「迷うiDeCoの商品選択“元本確保型”では何が選ばれているのか【最新調査・年代別】」にて詳報している。