洗浄装置で世界トップシェア 中国の比重大きい

SCREENホールディングスは半導体製造装置の大手です。シリコンウエハの洗浄装置や、レジスト(感光材)の塗布を行うコータ・デベロッパ装置、また熱処理装置や検査装置などを手掛けています。

主力は洗浄装置です。半導体デバイスはシリコンウエハ上に回路を形成し製造します。その過程では洗浄が繰り返されます。洗浄を行う目的は、微細なゴミや汚染の除去、また製造で用いられる薬剤の除去などです。

この領域でSCREENホールディングスのシェアは世界トップです。シリコンウエハを1枚ずつ洗浄する枚葉式や、複数枚を同時に洗浄するバッチ式、またブラシなどの物理的な手法を用いるスピンスクラバーのいずれも高いシェアを握っています。

【SCREENホールディングスの洗浄装置の世界シェア(2023年度)】

・枚葉式:34%
・バッチ式:47%
・スピンスクラバー:59%

出所:SCREENホールディングス マーケットデータ

売り上げは半導体製造装置が大半です。ほかにグラフィックアーツ機器(印刷関連機器)やディスプレー製造装置および成膜装置、プリント基板関連機器を製造しています。

【SCREENホールディングスのセグメント業績(2024年3月期)】

出所:SCREENホールディングス 決算短信
 

主力の半導体製造装置は海外向けの売り上げが9割を超えます。地域別では中国が4割を占めており、主要な市場となっています。中国で半導体への投資が増えるほど、SCREENには恩恵があると考えられます。

【SCREENホールディングスの半導体製造装置の地域別売上高(2024年3月期)】

・中国:1809億円(43.3%)
・米国:688億円(16.5%)
・日本:590億円(14.1%)
・台湾:496億円(11.9%)
・欧州:247億円(5.9%)
・韓国:203億円(4.9%)
・その他:144億円(3.4%)

※()は構成比

出所:SCREENホールディングス 有価証券報告書

ただし、半導体は対中輸出を規制する動きがあることは知っておきたいところです。米国は2024年12月、半導体製造装置を中心とした新しい対中貿易規制を公表しました※。日本は除外されていますが、同様の規制が日本にも及べば、SCREENホールディングスの業績に影を落とすことが懸念されます。

※出所:ジェトロ 米商務省、半導体製造装置を中心とした新たな対中輸出規制を発表(2024年12月3日)