新NISAの1年目が終了しようとしています。すでに来年の投資計画に取り組んでいる人も少なくないでしょう。2024年にどのような投資信託が人気だったかを知っておくと、投資計画に役立つかもしれません。

そこで今回は、2024年の投資環境を振り返りながら、資金流入が大きかった投資信託をカテゴリーごとに紹介します。取り上げるカテゴリーは国内株式、海外株式、内外株式です。一緒に2025年の投資を考えてみましょう。

【国内株式】高配当株が上位 金利上昇が市場のテーマに

まずは国内株式型です。海外には投資せず、国内の株式にのみ投資します。

1年間の資金流入額は「日経平均高配当利回り株ファンド」が最大となりました。日経平均株価の採用銘柄のうち、予想配当利回りの上位30銘柄に投資するファンドです。

同じく高配当をテーマに持つファンドは、上位5銘柄に3本がランクインしました。日本は2024年3月にマイナス金利を解除、同年7月には追加利上げを実施しています。利上げが意識されるなか、金利の上昇に抵抗力があるとされる高配当株式への投資が選好された可能性があります。

【資金流入額上位5銘柄(国内株式、直近1年)】

※2024年10月時点

 

【海外株式】米国が人気、利下げで最高値圏 3位のインドは調整局面

次は海外株式型です。日本には投資せず、海外の株式にのみ投資するカテゴリーです。

流入額の首位は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」でした。米国の株価指数「S&P500」への連動を目指す投資信託です。上位5銘柄の4本は、同じく米国株式型が占めています。

利上げフェーズにある日本と対照的に、米国は2024年9月に利下げを実施しました。金利の低下は一般に株式にポジティブで、S&P500も過去最高値を相次いで更新しています。

一方で、日米の金利差の縮小は通常、ドル円にはネガティブに働きます。2025年の為替市場は、日米の金融政策をにらんだ展開となりそうです。

流入額の3位はインドのインフラ関連の株式に投資する「HSBCインド・インフラ株式オープン」です。2024年はインド株式が好調で、主要な株価指数「ニフティ50」は9月にかけて過去最高値を相次いで更新しました。

ただし、足元のインド株式は高値からの値下がりが続いています。一方、よく比較される中国株式は、インド株式の調整が始まった2024年9月ごろに急騰しました。インド株式から中国株式への資金流出を指摘する声もあります。2025年のインド株式は、中国市場の動向も注目です。

【資金流入額上位5銘柄(海外株式、直近1年)】

※2024年10月時点