◆「高配当株式・米国ファンド」は失速?

本年9月18日に新規設定され、9月の売れ筋ランキングで10位に登場し、10月には第3位に上昇した「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は、11月には第4位へと後退した。米国株式の中で配当利回りが高い100銘柄に投資するという同ファンドは、ハイテク成長株が組み入れ上位を占めている「S&P500」や「NASDAQ100」、「FANG+」などとは異なる性格を持つファンドとして注目された。特に、ハイテク成長株に「割高」の指摘が強くなっているだけに、分散投資の対象としても活用が期待された。

しかし、10月末時点で過去1カ月間のトータルリターンを比較すると、「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」のプラス6.2%に対し、「iFreeNEXT FANG+インデックス」はプラス13.4%、「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」はプラス9.2%だった。「FANG+インデックス」のように1カ月間で2ケタのリターンをあげるのは出来過ぎと感じられ、この高いパフォーマンスが「株価上昇の最終局面に入っている」という見方の1つにもなっているが、「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は「S&P500」のパフォーマンスに対しても6割弱の水準でしか追随できていない。現在の環境ではパフォーマンスの面で大きく見劣りすることがはっきりしている。より長期の目線で見れば評価の仕方も異なることになるだろうが、足元の動きでは優劣がはっきりしている。今後の売れ筋ランクで高い位置をキープできるだろうか?

執筆/ライター・記者 徳永 浩