高利回り期待の投資対象で考えると…
さて、では高い利回りを期待できる米国のプライベートクレジットに投資をする場合を考えてみよう。
例えば米ドル建てで10%の利回りが期待できる投資としよう。そして短期金利は米ドルが5%、日本円が0%としよう。もし為替ヘッジを行えば、為替レートの変動による影響をあまり受けることなく、5%程度の利回りが得られることになろう(実際の為替ヘッジ取引のレートによっては、3〜4%になってもおかしくないが)。
それで十分儲かるので良いように思えるが、投資に係るリスクを忘れてはいけない。もともとの米ドル建て資産の投資元本が毀損する可能性も考慮に入れねばならない。毎年5%と元本も全て丸々取れるとも限らないのだ。
ここで、少し異なった観点で考えてみよう。そもそもヘッジしなければ年率10%もの利回りが期待できるなら、上手くいけば5年間で50%の金利収入が(米ドル建てで)入ることになる。
もし投資時のドル円のレートが150円、5年後の同レートが100円とかなりの円高になったとしても、投資元本は円換算でおよそ33%の毀損である。それまでに50%程度の金利収入が入っていれば、その金利収入自体にも為替損はあれ、収支トントン以上にはなる(つまり損はしていない)はずだ。