ステップ① 自分のリスク許容度を知る

最初に自身のリスク許容度をチェックしてみましょう。多くの場合、会社から企業型確定拠出年金の案内をされたタイミングで教材(冊子等)が配布されています(※)。その中に含まれている「リスク許容度診断シート」を活用して、自分は運用に対してどれくらいのリスクまで耐えられるのかを確認しましょう。
※企業によっては資料配布だけでなく、集合型セミナーや動画などによる投資教育が提供されており、その中でリスク許容度診断を行う場合があります。

簡易的に調べる場合はインターネットで「リスク許容度 診断」などと検索して出てくる診断テストを利用する方法もあります。

それらの診断の結果、「自分は思っていたよりリスク許容度が低かった」などと診断前の自分の考えとのギャップが分かることもあります。もし本来のリスク許容度を自覚しないままハイリスクの運用をしてしまうと、想定外の損失にストレスを感じてしまうことも……。初めに客観的に判断できる方法で確認しておくことが大切です。

ステップ② 株式と債券の比率を決める

続いて株式と債券の比率を決めていきますが、そもそもなぜこのステップが必要か、2つの前提知識をおさえておきましょう。

<なぜ、長期・積立・分散投資が必要?>

長期投資:市場の短期的な変動に左右されず長期的な成長を目指すことで、リスクを抑えられる
積立投資:定期的に一定額を投資することで市場のタイミングに依存しない平均取引価格を維持し、リスクを分散させられる
分散投資:異なる資産クラス(株式、債券など)や地域(全世界、先進国、国内など)に投資することで、特定の市場や資産の下落に対するリスクを軽減できる

<リスク・リターンと株式比率の関係>

資産を預貯金100%で持てば増減がほとんどない。一方、株式100%で持てば利益を出してくれる可能性は高くなるが、その分、リターンがマイナスになる可能性も高くなる。このリターンのブレを抑えるためには、株式と債券を組み合わせて運用することが必要となる。

※参考:【資産運用は「年代に適した株式比率」を知れば迷わない! 20代・30代が持つべき株式の割合は…】

これらの前提知識を踏まえ、企業型確定拠出年金ではリターンのブレを抑えるために株式と債券を組み合わせた運用を第一に考えます。

具体的な比率は判断に迷うところですが、ステップ①で取り組んだリスク許容度診断で推奨される「運用スタイル」と「ポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)」を参考にすると良いでしょう。

<リスク許容度で分かる運用スタイルとポートフォリオのイメージ>

リスク許容度が高めの「超積極タイプ」
→例:株式85%、債券15% など

リスク許容度がそこそこの「バランスタイプ」
→例:株式50%、債券45%、元本確保型5% など

リスク許容度が低めの「安定志向タイプ」
→例:株式17%、債券64%、元本確保型19% など