大和証券の投信売れ筋ランキング(週間)の2024年10月(最終週)のトップ2は前月と同様に「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)」だったが、第3位以下が大きく変動した。前月(最終週)は第3位と第4位だった「ダイワ・ブルベア・ファンド6 ブル3倍日本株ポートフォリオ6」と「ダイワ・ノーロード 日経225ファンド」がトップ10から滑り落ち、代わりにトップ10圏外から第7位と第8位、第10位に「netWIN GS テクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)」と「ダイワ金融新時代ファンド」、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(年1回決算型)【愛称:世界のベスト】」が食い込んだ。
◆「日本株」レバレッジ型が失速
前月は売れ筋の第3位だった「ダイワ・ブルベア・ファンド6 ブル3倍日本株ポートフォリオ6」がトップ10から姿を消した。同ファンドは2024年7月から3カ月連続で売れ筋トップ10に入り、7月には第2位になっていた。「ブル3倍日本株ポートフォリオ」という名前の通り、株式市場の動きに対して3倍(10%値上がりした場合は30%の値上がり)の値動きをするように設定されているため、「日本株が上昇する」という見方が強まるほどに人気を集める傾向がある。その人気が落ちたのは、日本株に対する上昇期待がはがれたのだろうか?
実際の基準価額の動きは、9月末の1万4863円が、10月末には1万6009円へと値上がりしている。ただ、10月25日には1万4786円と9月末水準を割り込んでいた。株価の値動きの数倍の比率で基準価額が動く「ブルベア型」のファンドは基準価額の動きの幅が大きいため、タイミングを計って投資する人が多い。比較的短期で売買される傾向がある。そのため、人気の隆盛や衰退も明確に出やすいところがある。
今年7月時点では、日経平均株価は4万円を超え、7月11日には今年の最高値、かつ、史上最高値である4万2224円(終値)を付けた。「ブル3倍日本株ポートフォリオ」の人気が高まったのは、株価が史上最高値に達して一段と高値を更新していくという期待が高まったからに他ならない。日経平均株価は5万円に向かって上昇が加速すると考えた人が少なくなかったということだ。米国株では7月12日に40000ドルだった「NYダウ」は10月18日には4万3275ドルと上昇し、11月11日には4万4293ドルに達している。7月時点で「ブル3倍日本株ポートフォリオ」を購入した投資家が期待したのも、「NYダウ」のような動きだったろう。
しかし、実際には日経平均株価は7月22日に4万円の大台を割り込み、その後、4万円台を回復することはなかった。10月末時点は3万9081円だ。7月に大きく盛り上がった日本株の株高への期待は、3カ月にわたって期待が裏切り続けられたため、さすがに息切れし、期待もはがれたものと考えられる。前月は第4位の人気だった「ダイワ・ノーロード 日経225ファンド」も同時にトップ10から姿を消したことで、日本株への期待が後退した印象を強めた。10月最終週のランキングのトップ10で日本株ファンドは、第4位にある「ストック インデックス ファンド225」と第8位にランクインした「ダイワ金融新時代ファンド」だけになってしまった。11月以降に日本株ファンドへの人気の復調があるのか注目したい。