資産形成にも影響度大! そもそも毎年、税金の改正はどう決まっているのか

私たちの生活に大きな影響を及ぼす税金。「所得税・住民税の定額減税」、「住宅ローン控除の拡充」、「賃上げ促進税制の強化」など、いずれも令和6年度の税制改正大綱に盛り込まれた内容ですが、このように毎年、税負担の公平性の確保や社会情勢の変化に対応するため、税制の見直しが行われています。

ちなみに、フィナシー読者にとって過去、最も関心が高かったと思われる「NISA制度の抜本的拡充・恒久化」は、令和5年度税制改正大綱に盛り込まれていたものです。

では、どのようなプロセスで、税制改正の内容が決まるのでしょうか。案外、それを正確に理解している納税者は、少ないと思います。

11月7日の新聞、各種ニュースサイトには、「自民党が6日、税制調査会の幹部会合を開催。来年度の税制改正に向けた検討をスタート」といった記事が掲載・配信されました。令和7年度の税制改正大綱策定に向けた動きが、いよいよ本格化してきたのです。

とはいっても、実は令和7年度の税制改正に向けた動きは、すでに始まっています。

税制改正は例年8月末から各省庁が、税制改正要望を与党の税制調査会に送付することから始まります。「与党の税制調査会」とは、いわゆる自民党税制調査会のことです。

この与党税制調査会で税制改正要望が審議された後、与党税制改正大綱が取りまとめられ、公表されます。これが毎年、大体12月中旬くらいになります。

その後、与党税制改正大綱が内閣の閣議に提出され、そこで「税制改正の大綱」として発表されます。令和6年度税制改正大綱の場合、閣議決定されたのは令和5年(2023年)12月22日でした。

こうして公表された「税制改正の大綱」のうち、国税関連については財務省で、地方税関連については総務省で、それぞれ国会に提出するための改正法案が作成され、翌年1月中に召集される通常国会で審議され、年度終わりの3月31日までの可決・成立を目指します。

以上の流れで言うと、今は与党である自民党の税制調査会に上げられている税制改正要望を審議している最中になります。そして私たちにとっての関心事は、令和7年度税制改正で何が変わるのか、ということです。