同じ買い物の繰り返しではウェルビーイングがすり減る?
以前、仕事上がりの1杯目のビールは一番満足度が高い、という話をしましたが(※)、同じことを繰り返していくと満足度はすり減っていきます。
※参考【なぜ、1杯目のビールは驚くほどうまいのか? “お金で幸せを買うこと”を考えて分かった「1つの答え」】
お金持ちのSNS投稿を見ていると、次々と高級料理店が登場します。毎日1000円どころか、5000円、あるいは10000円以上の食事をしていて、すごいなあと思います。こんな人たちは満足度の高い生活なのだろうと思いますが、実はその逆です。彼らはいつも飽きと戦って、予算を上げたり、初めてのお店をとにかく訪ねたりしているのです。
これはセレブの話だけではなく、私たちの日常生活も同じです。「ほぼ毎日同じ店で900円のランチ」とか「ほぼ毎日、550円の仕出し弁当」のように同じことを繰り返すと、どうしても飽きが来てしまいます。
飽きている、ということはコスパが落ちているということであり、お金をかけた満足度が落ちているといえます。「繰り返し」と「飽き」は日常生活のウェルビーイングにとって大敵なのです。
変化をつけると「安い」も「楽しい」になる!
とある仕出し弁当の大手は、「2カ月は同じメニューを出さない!」と宣言し、お客さまの飽きがこない工夫をしています(すごい!)。会社の近くの食堂が、週替わりメニューを出す理由も同じです。
私たち自身、「昨日は焼き魚定食のお店に行ったから、今日はパスタのお店に行こう!」のように行き先を変えることがありますが、これも同様に同じ予算で飽きが来ないための工夫です。
ここでもう一工夫、「お値段の違い」も意識してみましょう。例えば週に1度は「おにぎり+お茶」にしたり、牛丼やハンバーガーなどを組み入れたりして、ぐっと予算を下げる日を組み入れてみます。
毎日牛丼だと苦痛かもしれませんが、週に1度の牛丼は楽しいごちそうになります。そして予算の落差をつけたら、週に1度は、平均予算より高めのランチを組み入れてみます。
そうすると「同じ予算で5日間ランチ」より、満足度は高まることになるはずです。面白いことに「1週間の金額は同じ」でも、変化をつけることでウェルビーイングの総量を増やせるのです。
「お昼、どうしようか」「あー、どうでもいいや」ではなく、ウェルビーイングを高める取り組みと考えてみると、いつもと同じランチもちょっと楽しいものに変わってくるはずです。