定年後の労働はマイナスなことばかりではない

定年後に働くことにネガティブな印象を持つ人は多いと思いますが、実は多くのメリットが見られるのです。

まず、ある一定の収入が得られます。私はいま66歳で年金を受け取っていますが、この年齢になると働いて得た収入が少しでもあると大変ありがたいと思えます。一線で働いていた時期に比べれば微々たる収入ですが、結構うれしいものです。

おそらく手に取るお金が限られるようになり、そこに価値を見いだすようになったのだと思います。シニアは年齢的にも教育費や生活費にそれほど多くの支出はかかりませんし、自分の好きなことにお金が使えます。これが何ともいえずうれしいものなのです。

また別のメリットとしては、定年後の仕事は、自分でコントロールしやすい、ということがあげられます。自分のペースに合った仕事を選択でき、働く日数、時間も調整しやすいのです。責任ある立場から離れる人が多いこともあり、ストレスもたまりにくくなります。ストレスフリーな状態のありがたさは定年後になってよく分かります。

調査によると働く満足度も、人生の幸福度も、60歳前後から右肩上がりに伸びていく(リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」2019)ので、全体的に見て、定年後は案外ポジティブに考えていいのでしょう。