今期は主要全セグメントで増益の見込み 第1四半期はすべり出し好調、利益は進捗3割超

次にソフトバンクの業績を解説します。

ソフトバンクの業績は安定的に推移してきました。売り上げは順調に増加しており、2024年3月期は過去最高を更新しています。また純利益も増加傾向にあります。2024年3月期の減益は、その前の期に計上したPayPay子会社化に伴う一時的な利益のはく落が主因です。

出所:ソフトバンク 有価証券報告書より著者作成

今期(2025年3月期)は増収増益を見込んでいます。利益は全セグメントで増加する計画です。特にメディア・ECの営業利益は前期比で16%と高い増益率を予想します。生成AIへの成長投資などから増加する費用をこなし、全体で増益を目指します。

【ソフトバンクの業績予想(2025年3月期)】

売上高:6兆2000億円(+1.9%)
営業利益:9000億円(+2.7%)
純利益:5000億円(+2.2%)

※同第1四半期における同社の予想
※()は前年同期比

第1半期は順調なすべり出しとなりました。通期予想に対する進捗率は売上高でおおむね想定どおり、営業利益と純利益は3割を超えています。

【ソフトバンクの2025年3月期 第1四半期の実績】

売上高:1兆5357億円(+7.4%、24.7%)
営業利益:3039億円(+23.4%、33.7%)
純利益:1625億円(+10.8%、32.5%)

※()内は順に前年同四半期比、通期予想に対する進捗率

出所:ソフトバンク 決算短信

セグメント別ではメディア・ECがけん引しました。通期計画の4割超を第1四半期で稼いでいます。主力事業のコンシューマも、進捗率は3割に達しています。またファイナンスは、第1四半期で通期予想を大きく上回る利益を得ています。

【セグメント営業利益の進捗率(2025年3月期 第1四半期)】

出所:ソフトバンク 決算説明会資料