通信キャリア大手、メディア・EC事業が第二の柱に ファイナンスは黒字化へ

ソフトバンクは通信キャリア大手の一角を占めています。主な通信ブランドは「ソフトバンク」「ワイモバイル」「ラインモ」です。移動通信のシェアは、楽天モバイルがシェアを徐々に伸ばしているものの、大手3者でほぼ独占している状況です。

出所:総務省 通信事業の動向について(2024年4月24日)より著者作成

ソフトバンクは5つの事業を展開しています。主力事業はコンシューマとエンタープライズです。これらは主に通信サービスを提供するセグメントです。コンシューマは個人向け、エンタープライズは法人向けと整理されています。コンシューマには電力の小売り事業も含まれます。

その他は非通信事業です。ディストリビューションとメディア・EC、ファイナンスの3つに分かれています。

ディストリビューションはIT関連の製品やサービスを販売する事業です。主に法人にはクラウドやAIといったサービスを、個人にはソフトウェアやモバイルアクセサリー(スマートフォンケースやイヤホンなど)を提供しています。

メディア・ECは主にLINEヤフー傘下の企業が担っています。メディア・EC事業は、さらにメディア領域、コマース領域、戦略領域に分かれます。

メディア領域は「ヤフージャパン」や「LINE」の広告収入などです。コマース領域は「ヤフーショッピング」や「ゾゾタウン」といったオンラインショッピングと、「ヤフーオークション」などのリユースサービスが含まれます。戦略領域はフィンテックサービスなどを提供しています。

ファイナンスは金融に関連する事業です。「PayPay」ブランドで主に決済や資産運用などのサービスを提供しています。ただし、PayPay銀行はメディア・EC事業に属しています。ファイナンス事業は赤字が続いていましたが、今期(2025年3月期)に黒字化を見込んでいます。

【ソフトバンクのセグメント業績(2024年3月期)】