実物の不動産は投資のハードルが高い資産の一つです。一般的に取得費用が高額なため、大きな資産が求められます。融資は受けられますが、収益物件向けの融資は住宅ローンより条件が厳しめです。また取得後も管理に手間と費用を要します。
これらを解決する金融商品がREIT(リート)です。不動産で運用される投資信託で、小口から投資が可能です。不動産の運営をプロに委託できるため、投資家が直接管理する必要もありません。
そこで今回は、REITとはどのような商品なのか、仕組みをわかりやすく紹介します。また、REITへの投資に投資信託がおすすめな理由も紹介します。
REITってどんな商品?利益の90%以上を投資家に分配
REITは会社型(投資法人型)の投資信託です。投資法人を設立し、その投資法人が発行する投資証券へ投資する仕組みとなっています。投資証券は一般的な事業会社の株式に相当し、保有者には投資法人から利益が分配されます。投資証券は証券取引所に上場しており、自由に売買できます。
REITの投資対象は実物の不動産です。投資家から集めた資金を原資に不動産を取得します。そして不動産から得られる家賃収入がREITの主な収益となり、利益が投資家に分配されます。REITの多くは半年ごとに決算し、年2回の分配金を支払います。
この利益の分配に、REITの大きな特徴があります。REITは利益の90%以上を投資家に分配金として支払います。上場企業の配当性向34%(2023年度、全産業)と比べると、REITの分配率がいかに高いかわかります(出所:日本取引所グループ 調査レポート 決算短信集計結果)。
つまりREITは、利益が内部に留め置かれず、不動産投資の利益が直接的に投資家へ流れる仕組みとなっているのです。
この仕組みから、REITは高い利回りを求める投資家に人気があります。REITの分配金利回りは、これまで株式の配当利回りより高い水準で推移してきました。インカムゲインを重視する人には向いているでしょう。
【主なREITの1口あたり予想分配金利回り】
・日本ビルファンド投資法人:3.55%
・ジャパンリアルエステイト投資法人:4.12%
・日本プロロジスリート投資法人:3.19%
※2024年9月12日終値と、2024年9月12日時点で未到来の直近2期分の予想分配金で計算
※日本ビルファンド投資法人は価格を5分の1に除して計算(2024年10月に1:5の投資口分割を予定)
※予想分配金に利益超過分配金は含まない