(2)小型株効果を享受できるか?

対象銘柄数の多い指数には、一般的に時価総額の小さい銘柄(小型株)が含まれ、連動するインデックスファンドでも同様に一部を小型株に投資しています。小型株は、さまざまな理由により、大型株や中型株よりも投資リターンが高い傾向があり(=小型株効果)、日本を含む世界の株式市場でその存在が知られています。

インデックスファンド投資では、より投資対象の幅広い指数を選ぶことで、小型株効果による追加リターンを享受することも可能となるわけです。東京証券取引所上場銘柄で構成されているTOPIXのうち、時価総額上位500の大・中型株で構成されるTOPIX500と、その他の小型株で構成されるTOPIX小型株のリターンを比較してみます。日本株市場においても小型株効果が存在するようです(外国株における小型株効果は次回お話しします)。

図4 日本株規模別リターン

 

【以上のことから導き出された結論:インデックスファンド投資の常識①】
インデックスファンドはより幅広い投資対象で構成される指数に連動するものを選ぶべき

特別な理由がなければ、インデックスファンドは幅広い指数への連動を目指すものを選ぶのが賢明でしょう。 指数間のリターンにあまり差がなければ、「なじみのある/知っている」インデックスに投資するべきかもしれません。しかし市場指数もインデックスファンドも多様化し、選択肢も増えてきています。株式投資であれば、投資対象を広げるだけで恩恵を受けられる小型株効果を享受することが望ましいでしょう。

なお、本稿では債券投資のお話しはしていません。債券投資でも小型株効果に類似した効果が見られますので、機会があれば債券におけるインデックス投資についてもお話ししたいと思います。

次回は、インデックスファンド投資のもう一つの常識と考えられている「インデックスファンド選びで最も重要な要素はコスト」を疑います。